Story 01

MARGIN
Project Story

「MARGIN」プロジェクトストーリー

プロジェクト概要

「余白」を意味する「MARGIN」は、機能、素材、色を自由に組み合わせることで、今までにないインテリア空間を実現するインテリアブランドです。
現在では、パモウナの主力ブランドの1つとなった「MARGIN」ですが、
5年前に誕生した際には、さまざまな課題を抱えていました。
その「壁」を乗り越えるために、
「自分らしく」チャレンジを重ね、走り続けたメンバーたち。
自分の役割を全うしてバトンを渡し、ときにはそのまま伴走し、
ともにMARGINをつくりあげてきたストーリーを紹介します。

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メンバー紹介

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    森 祐貴 Yuki Mori

    代表取締役社長

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    内田 将成 Masanari Uchida

    マーケティングオフィス
    営業グループ
    MARGIN Projectチーフ
    2015年3月入社

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    立木 悠也 Yuya Tsuiki

    生産部生産課
    大桑工場 係長 2008年3月入社

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    藤森 健太 Kenta Fujimori

    マーケティングオフィス
    開発設計グループ
    プロダクトデザイナー 2019年5月入社

Chapter 01

1枚の図面から、復活をかけた挑戦が始まった。

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「社運を賭ける、とまではいかなくても、起死回生は狙ってましたね」と代表取締役社長の森氏。MARGINのアイデアが生まれたのは、5年ほど前。当時のパモウナの業績は、決して好調ではなかったという。これまでとは違う商材を開発して、守備範囲を広げたい。そこで、ひらめいたのが、戸建てユーザーをターゲットにしたフロートスタイルの家具だった。
すでに、壁に取り付けるフロートスタイルのテレビボードは、他メーカーから発売されていた。しかし、まだ認知度も低く、値段も高め。そこで、森氏が狙ったのが、デザイン性が高く、質と価格のバランスがとれた商品展開だった。

質のよいものを長く使ってほしい

プロジェクトのはじまりは、1枚の図面から。
「直線を意識したフラットなフォルム、シンプルで褪せないデザインにこだわりました。質のよいものを長く使ってほしい、というわたしたちのフィロソフィーも込められています」。さらに、自動引き込みや豊富なカラーバリエーションなど、蓄積されたノウハウで「一歩上」の商品開発をめざした。

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しかし、目の前には大きな「壁」があった。戸建て向けの商品展開は、パモウナでは初めての境地。どうやって市場を開拓していくかが大きな課題だったのだ。「当時はMARGINを見てもらえるショールームもなかった。そこで、インスタグラムでのプロモ―ションや、ダイレクトに販売するECサイトの立ち上げを決めました」。いくらいい商品でも、つくっただけで売れる時代ではない。パモウナの復活を賭けた挑戦が始まった。

ヒントを得たのはインスタ、次のヒット商品が生まれた。

「MARGINと同期入社なんです」と笑うのは、開発設計グループの藤森氏。インテリア好きが高じて、パモウナに転職。
入社すぐに任されたのは、MARGINプロモーション用のCG画像の作成だった。さまざまなインテリアや生活シーンを想定して、
家具を配置していく。「CG画像をつくるのは、初めての経験。同時に商品サイトの立ち上げも任されて。
こちらも未経験だったので、手探りで進めていきました。新人にここまで期待するなんて、大胆な会社だと思いましたよ(笑)」。

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また、2年前には、MARGINキャビネットの商品化も手がけた。若いファミリーが、インスタグラムで「埋め込み収納」を活用しているのを見てピンときたという。こだわったのは色展開。定番色の黒や茶だけでなく、こだわりのインテリアにもしっくりくるように18色ものカラーを用意した。さらに、棚板固定用のダボ穴に付けられるステンレスバーも考案。これがいいアクセントになり、デザイン性が受けて、埋め込みキャビネットはテレビボードに続くヒット商品になっている。

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一貫して携われるのが醍醐味なんです。

もちろん、設計スタッフと強度試験を繰り返し、何度も改良を重ねたり。工場での量産化を見込んだパーツサイズの共通化など、地味な苦労も数知れない。「でも、単にデザインするだけじゃなく、その後の設計から品質管理、商品プロモーションまで一貫して携われるのが醍醐味なんです。自分の商品を生み出したという実感はハンパないですね」と藤森氏。MARGINとともに成長した5年間を、振り返ってくれた。

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Chapter 02

生産プロセスの徹底的な改革、その答えは現場にあった。

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「最初は焦りまくりました」と語るのは、生産部の立木氏だ。
彼が係長を務める大桑工場でMARGIN商品の生産が始まったのは4年前。
それまでは、少品種・大量生産をしていた工場だったが、MARGINの生産方式は多品種・少量生産と真逆。品種が増えれば、機械の設定変更や、部材運搬などの「段取り」が増え、時間がかかる。生産性がガクンと落ちてしまったのだ。
「立て直すには、徹底的な改革が必要でした」。

働きやすい環境づくりにも、できる限り配慮した。

まずは、生産の順番を商品別ではなく、似たサイズや加工方法、同色のパーツ別に変更。「段取り」の時間を大幅に削減していった。また、多品種ゆえに増えてしまったパーツを収納する台車が、工場や倉庫のキャパを圧迫していた。そこで、彼が考案したのが「縦に収納する台車」。従来の平積み方式から、立てる収納にすることで、パーツをピックアップする時間も節約できる。「もちろん、机上の理論ではうまくいきません。常に現場の方たちから意見をいただき、一つひとつかたちにしていきました」。慣れない作業にスタッフの疲労やストレスも蓄積される。彼らのメンタルフォローや働きやすい環境づくりにも、できる限り配慮した。

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そして、現在では数々の問題をクリアし、大桑工場から多くのMARGIN製品を世に送り出している。「SNSでMARGINの家具の写真を見ると『裏方の誇り』を感じられます。わたしたちが、安全性や品質にこだわり抜いて製造したものが評価されてるって、やっぱり嬉しいものです」と顔をほころばせた。

型にはまらないアプローチで、乗り越えたいくつもの壁。

「最初は、話も聞いてもらえなかったですね」と苦笑するのは、営業の内田氏だ。新規顧客の開拓のため、ハウスメーカーや工務店にかたっぱしからアポを取り訪問し続けるものの、いわゆる門前払い。5年前は、まだ、フロートスタイル家具の認知度も低く、それまでのルート営業とはまったく勝手が違っていた。

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「潮目が変わった」と感じられたのは、MARGINの営業を始めて半年ほど経った頃。「SNSでのプロモーションが功を奏して、ユーザーからハウスメーカーに問合せが入るようになったんです。それをフックに一気に攻めていきました」。ここから動きが、ぐっと加速する。ハウスメーカーで商品説明会を開き、MARGINの魅力を余すところなく伝えた。最初の受注事例を「突破口」に、全国の支店に紹介していただく。自ら、インスタライブにも出演。もちろん、ライブ配信なんて人生初の経験だった。世の中の反応をとらえ、柔軟にアプローチを変えていく。しだいに、商品の認知度が上がり、取引先が増え、売上は伸びていった。

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壁を乗り越え、前に進む。
そのリズムを楽しんでいる自分がいました

「いやいや、順調そうに見えるかもしれませんが、もっと『壁』はあったんですよ」と内田氏。「ただ、少子化などの影響で好調とは言えない家具業界で、売上を伸ばせたこと自体がレアな経験。壁を乗り越え、前に進む。そのリズムを楽しんでいる自分がいましたね」と笑う。
この5年間、彼らの手でバトンが引き継がれ、MARGINの売上は100倍に。パモウナの「救世主」となり、主軸商品に成長している。

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Chapter 03

チャレンジを重ねて、自分の武器を増やしていける会社。

最後に、全員にMARGIN誕生秘話やパモウナで働く魅力を聞いてみた。

販路も確立されていない。ショールームもない。商品の知名度もない。
「0」の状態から、よく主軸商品にまで育て上げることができましたよね。

森氏
「担当する業務が違っても、一人ひとりが仕事に向き合い、自分らしいチャレンジをした成果です。MARGINは、みんなでつくりあげた事業になりました!」
藤森氏
「部署を越えて連携しながら、それぞれの得意分野を活かして商品化できましたよね。わたしも企画やデザインから、試作や工場とのやりとり、プロモーションまで関わることができて、『自分たちの商品』という手ごたえをしっかり感じられましたし」
立木氏
「大きな会社じゃないからこそ、部署間の距離は近いですよね。工場でMARGINの生産が始まって、慣れない工程で作業が追い付かず『SOS』を出したら、本社からみんながぞろぞろと手伝いにきてくれた(笑)」

今後の新しいチャレンジは?

森氏
「収納家具だけでなく、テーブルやソファなど足モノの商品開発も進めています。3Dシミュレーターを活用してネット上でオーダーメイド家具が購入できるサイトもオープン。日本のモノづくりの拠点をめざします」
内田氏
「パモウナは現状で足踏みすることなく、どんどん領域を広げていく会社ですよね。だから、わたしたち社員も新しいことに挑戦できるチャンスが多い。そのたびに、自分の武器であるスキルも増やしていけるのが、ここで働く魅力です」

「アタマの中には、まだまだアイデアが溢れている」と語る森氏に、「任せてください」と笑顔で答える社員たち。
先が読めない展開を、むしろ楽しんでいるように見えた。

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